
先輩!助っ人選手ってヤバいっすね!こないだ初めて球場に見に行ったんですけど、遠くから見ても目立つっていうか、強そうでした!

唐突すぎてバカっぽいけど厚みの違いがひと目で分かるような選手も多いし、まぁわかるよ。それなら今回は、日本のプロ野球史に強烈なインパクトを残した『過去の名(迷)助っ人』の話をしよう。第1回は、1990年代後半の巨人で活躍したバルビーノ・ガルベスだ。
記録と記憶に残る「最強の暴れん坊」バルビーノ・ガルベス
| 名前 | バルビーノ・ガルベス (Balvino Gálvez) |
| 生年月日 | 1964年3月31日 |
| 出身地 | ドミニカ共和国 |
| 身長 / 体重 | 180cm / 107kg |
| 投打 | 右投右打 |
| NPB所属 | 読売ジャイアンツ(1996年〜2000年) |
そして、こちらがガルベスのNPBでの年度別投球成績です。
| 年度 | 登板 | 勝利 | 敗戦 | 完投 | 完封 | 投球回 | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1996年 | 28 | 16 | 6 | 12 | 3 | 203.2 | 3.05 |
| 1997年 | 27 | 12 | 12 | 8 | 1 | 192.2 | 3.32 |
| 1998年 | 21 | 9 | 7 | 4 | 1 | 137.1 | 3.21 |
| 1999年 | 27 | 9 | 12 | 7 | 1 | 187.0 | 3.66 |
| 2000年 | 6 | 0 | 6 | 0 | 0 | 30.1 | 3.26 |
| 通算 | 109 | 46 | 43 | 31 | 6 | 751.0 | 3.31 |
バルビーノ・ガルベスは1996年に巨人に入団すると、いきなり16勝を挙げて最多勝を獲得。最大11.5ゲーム差を逆転した伝説の「メークドラマ」の立役者となりました。
怒りっぽい性格や、投手でありながら規格外のホームランを打ったなど投球以外の部分で語られる事の多い選手ですが、完投31完封6と圧倒的なスタミナを持つ非常に優秀なスターターでした。
あの夏、何が起きたのか? 球審への「剛速球」事件
優秀な成績を収めているガルベスですが、やはりガルベスを語るうえでセットになってしまうのが、球審への豪速球事件です。
事件が起こったのは1998年7月31日、甲子園球場での阪神戦。その日ガルベスは、球審の判定にフラストレーションを溜めていたのがナインに伝わるほどだったそう。
そして5-0で負けていた6回裏、2ストライク1ボールから投じた内角球をボールと判定され「イラッ」続く5球目をホームランされたことで大爆発となりました。
収まらないガルベスに対し、ベンチも出てきて下がるように促します。そしてベンチに向かう途中、突然振り向きなんと球審(橘高球審)に向けて全力投球。
後に当時の同僚選手達は、こう語ります「あの時のボールが一番早かった」と・・・。
なお、その際止めに入った吉原孝介は手があたって鼻血を出し、その血を見て気を失っていたなんて話もありました。

これ野球の話ですよね?ブレイ◯ングダウンとかじゃないですよね?

「はいそこ試合決定で」ではなく間違いなく野球の話。
まぁ今より色々とあった当時のプロ野球界でもさすがに騒然としたよ。本人は後に「ボールボーイに投げ返しただけだ」なんて言っていたけど・・・。とにかく審判に当たらなくて良かったなという事件だったね。
この前代未聞の暴挙により、当時の巨人の総帥・長嶋茂雄監督が「私の管理不足」として自ら丸坊主になって謝罪するなど当然大きな問題となりました。
当のガルベスには、残りのシーズン出場停止と当時のプロ野球史上最高額となる「4000万円」の罰金が科せられています。
ピッチャーなのに強打者!? 驚愕の「通算10本塁打」
ガルベスは打席でも記憶に残る選手でした。彼は投手でありながら、NPB通算で10本ものホームランを放っています。打席に立てばホームランを期待されるワクワクする打者でした。
特に復帰後の1999年には、プロ野球史上初となる「同一シーズンで投手が満塁ホームラン2発」という驚異の記録を樹立。
なお2本目の満塁弾はハマスタでの場外ホームランです(推定140m弾)。
ここで、彼のNPB通算打撃成績を詳しく見てみましょう。
| 年度 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 打率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1996年 | 65 | 8 | 1 | 2 | .123 |
| 1997年 | 60 | 6 | 2 | 3 | .100 |
| 1998年 | 43 | 7 | 1 | 5 | .163 |
| 1999年 | 70 | 10 | 4 | 17 | .143 |
| 2000年 | 21 | 6 | 2 | 7 | .286 |
| 通算 | 259 | 37 | 10 | 34 | .143 |
- 285打席 259打数 10本塁打
- 本塁打率:25.9

この「本塁打率25.9」という数字がどれだけ異常か⋯。これは「約26打数に1本ホームランを打つ」という計算なんだ。

えーと、それって凄いの……?

そうだな⋯去年でいえばハムの万波中正が23.25、中日の上林誠知が31.7だから投手であることを考えると驚異的だね。マウンドで暴れるパワーが、そのまま打席でも爆発していたんだな。
まとめ:摩擦が生んだ伝説の助っ人
球審への投球や乱闘、ガルベスという選手は、昨今コンプライアンスが厳しいプロ野球では決して生まれない、まさに「猛獣」のような助っ人でした。
しかし、長嶋監督が丸坊主になってまで彼を庇い、使い続けたのは、彼が持つ「マウンドでの圧倒的な責任感」と、野手顔負けの「規格外のパワー」に魅了されていたからかもしれません。
ちなみに筆者もとても好きな助っ人選手の一人です。
(YouTubeなどで検索をかければ当時の映像なんかも見られるのでぜひ。著作権関係が怖いので引用はしませんでしたが⋯)

審判にボールを投げるとか今なら大炎上で即日クビ案件じゃ・・・。いやちょっと見たかったけど
なお、現在は母国ドミニカ共和国で球場のオーナーをしているそうです。



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